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Keith Mansfield – Funky fanfare [Soul thing / House of Jack / Queen St Gang]

V.A. (Keith Mansfild, Syd Dale etc...) - Flamboyant themes - Vol. 2 [KPM 1038] (Used LP)

10年くらい前なら、10回DJやったら9回はかけてた、今なら10回に4回くらいはかけちゃうボク的に定番というか、アンセムというか、もはやテーマ曲のようなものがコチラ、

「Funky fanfare」 by Keith Mansfield

です。この曲は、英国の作編曲家Keith Mansfield氏による楽曲で、その曲名通りの豪快なホーンが壮大な始まりを告げるファンファーレなんですが、ちゃんと頭に”ファンキー”って付いているように、ドコドコ打ちまくる&跳ねるビートとベース、荒々しいギターのリズムワークが卑怯なくらいに格好良いです。添えられるピアノの音色も程よいエレガンスを感じさせますが、やっぱりキモはこの高揚感のあるメロディの気持ちよさ。大体、DJした後にお客さんに「あの曲なんですか?」って聞かれる時は、必ずと言っていいほど皆さん”チャラッチャチャッチャー”って曲です、と、歌ってくれます(笑)。実際のところ、曲自体はタランティーノの「キル・ビル」とかでも一瞬使われてる(でも、ボクの知らないテイクだ)のでワリと有名なハズですけどね(さっき検索したら、Beckもライブ?か何かのオープニングでカヴァーしてましたね…)。

そんな「Funky fanfare」、厳密に説明するのは難しい曲です…。なんでかと言うと…、

「ヴァージョン、多すぎるねん!」問題

があるからです(笑)。ま、別に知らなきゃそれでいい話なんですケド、知ってしまうとあら大変。まず、一番最初の問題は、

「どれがオリジナルVer.なのか?」問題

です。これ、ご本人に聞かなきゃ分からない気が…。と言うのもまず、そもそもこの「Funky fanfare」に関しては、恐らくご本人が関わっているVer.に関しては、1968年当時は市販されていません。元々が、TVやラジオ・プログラムのBGMを専門に制作する『ライブラリー』レーベルによって制作されたプロユースの音源で、『ライブラリー・ミュージック』とかって呼ばれます。欧州には結構存在しているのですが、要は基本的には一般に販売されない(市販されない)音源であって、ハナからBGMに使用用途が限定されていて、番組の制作者の皆さんが使う度に内容や期間、回数に応じて使用料を支払う仕組みです(地理的に国と国が隣接しているのでいろいろな権利の話がややこしいから、というのもあって、欧州はこう言うシステムが発達しています。日本みたいに島国じゃないから、勝手にいろんな音源をぼんやり使うとバレちゃうんですね(笑)。国境付近だと、普通によその国の電波も拾っちゃいますからね)。だから、ちょっと特殊な音源です。TVやラジオでよく耳にしても、買うことはできない音源。例えば、ニュース番組のジングルとか耳にこびり付きますよね、でもどこに売ってます?ということ。

さて、話はさらにややこしいですが、この名曲「Funky fanfare」は、そんな「ライブラリー」音源(ちなみに、英国の『KPM』と言うライブラリーの音源です。)なのですが、まず、「Funky fanfare」自体に結構な数のVer.が存在しています…(笑)。BGMとして使うわけですから、各種取り揃えております、と言うことか。そして次の問題、

「同じ曲なのに、タイトルが違うゾ」問題

作曲者ご本人のKeith Mansfieldさんですら、実は使い分けております。そう、「Funky fanfare」、実は市販Ver.もあって、そちらのタイトルはモーレツにイカした「Soul thing」という曲名です(某ミックスCDでも、タイトル引用されていますね)。ま、この二つは同じ曲なんですが、演奏とアレンジが違います。さらに言うと、Keith Mansfield氏による「Soul thing」という曲でも、幾つかのVer.違い、微妙なテイク違いがあります(かなり細かい差異があるVer.もあり)。先ほどの「どれがオリジナルなのか?」問題は、多分、「Funky fanfare」が先か、「Soul thing」が先か問題でもありますね(笑)。ちなみに、どっちも初出は1968年なので、本人に聞かなきゃわかんない?って話になる訳です。

余談ですが、この「本人に聞かなきゃわかんない?」って話、経験上、本人に聞いても覚えてらっしゃらないことが多いです。なんじゃそら?って話ですが、ホントです。で、さらにたいていの場合、「どっちでもいいじゃん?あはは…」ってなりますね。ま、確かに、そんなこと知りたがる人はいないかもな。

で、 さらにややこしい件が続くのですが、名曲ゆえに、意外にカヴァー曲が多いと言う事実から派生しての、

「あれ、この曲、またタイトル違うけど一緒の曲じゃね?」問題

です…。ハイ、この「Funky fanfare」/「Soul thing」には、ヴォーカル入りVer.があります。厳密に言うと、「Funky fanfare」はたぶんインストのみですが、「Soul thing」には歌詞が付いたVer.があります。特に、Paul Ravenさんと言う方が歌う「Soul thing」は、重低音のドラムブレイクのイントロからモーレツに格好良いです。そして歌詞&曲名違いでは、「House of Jack」という曲があります。個人的には、ヴォーカル入りのVer.では、この「House of Jack」をJames Royalさんと言う方が歌ってるVer.が好きですが、この人のVer.すら、7″とLPでは随分と尺が違う問題があります(笑)。ちなみに、大方の予想に反して、7″よりLPの方が音も良く、尺も長いです(音の良し悪しに関しては英国盤に限った話ですヨ)。「House of Jack」は、米国(かな?)のThe EstabishmentというバンドのVer.もブルージーで格好良いです。で、さらに続きがありまして、実はさらに、「Queen St Gang」という曲名でもカヴァーされています…。カヴァーって言うか、実際には、Keithさんが絡んでいることが多いので、何とも言えないけど、この「Queen St Gang」は「Funky fanfare」のプログレVer.みたいなモンです。ちょっとドロドロした質感が意外で格好良かったりしますが、Arzachelと言うプログレバンドがやってます。オリジナル盤は割とレア盤ですけどね。

と言うことで、興味ない人には、一切興味のないであろう話をズルズルと引きずってしまってますが、ボクもさほどうんちくには興味ありません。ただ、好きで色々発掘していたら、たまたまいっぱいあった、という程度の話ですし、上記、偽情報も混じってるかも(笑)。こんなショボいうんちくでは、本は出版できなさそうですケド、なんか一発面白いミックスなら録れそうな気がするので、挑戦してみようかなー。それか、DJの依頼があれば、「Funky fanfare」/「Soul thing」関連の曲だけで50分くらいならできると思いますので、どうぞ気軽にご依頼ください。まぁ、需要はナイだろうし、ずっとあのフレーズが延々かかるだけなんだけなんで、すぐに飽きるナ。

じゃ、最後にこの奇跡のような、ライブVer.をどうぞ。これはホントに生で観たかった。失禁したに違いない…。