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Novi [Novi Singers] – Bossa Nova

Novi [Novi Singers] (ノヴィ・シンガーズ) - Bossa Nova [Original] (Used LP)

もし生でライブとか観たら、さぞかし美しくて感動的なんだろうな…、と。

ポーランドのヴォーカル・グループ、Novi [Novi Singers]の1967年のデビュー作は色んなことがスゴい。例えば、ポーランドのグループがこの時期にボサノヴァやってるとか、ダブル・シス辺りの影響が濃い洒落たスキャット・コーラスが華麗とか、オシャレなわかり易い部分ももちろんいいんだけど、違う、違うヨ。この人たち、当時20代そこそこで、このテクニックでほとんどが自作曲、そして最小編成のバンド(弦も控えめなのがイイ)を背にこのサウンドを描き上げている…、スゴいを通り越えて恐ろしい存在なのです。何より、歌詞なき世界に完璧な”歌心”を通わせているのがたまらない、ありえない。つまり特筆すべきは、その哀愁の旋律や、憂いのサウンドが生む”感動”な訳です。

そういや昔、ウチのお店がまだ神戸の三宮町あった頃、フラッといらっしゃった、いかにもオレはレア盤しか買わないぞ風の方(スミマセン…)に、「ねぇ、こんな感じのアルバムもっとナイの?」って聞かれた時は、『(ボクの知る限り)ナイですっ!』って即答してやった(笑)、だってナイもの。もし、こんなのが世界中にゴロゴロしてたら、嬉しいけどネ。ボクの知る限りスタイルが似たグループが世界中に沢山いるだけで、その本質の近似値を考えると、むしろ全くスタイルが違うグループが少しだけ近かったりする。一応、スタイルも雰囲気も近いグループを一つ知っているけど、何故か、それは同時期に活動していた日本のしかも、関西のグループです…。ほぼ確実にお互いを知らないハズなのに、ヴォーカルの編成やジャケットの佇まいまで似ているから恐ろしいけど、マイナーすぎて誰も知らないと言う…(笑)。まぁ、別のアプローチから接近した先鋭的なグループだったということでしょうね。ちなみに、その日本のバンドは、もう少しフォークバンド的ですし、クオリティに関しては、Noviの圧勝です。

“Novi”は、”New Original Vocal Instruments”の略です、そう、新しくてオリジナル、そしてヴォーカルをまるで楽器のように操る”感動”創造ユニット。特に、オリジナルと言うフレーズは重要だなー。

ちなみにボクにとってはSide Bの冒頭「B1. Pyzate Stoneczniki (Chubby Sunflowers)」- 「B2. Jak Powrocic Do Tej Chwili (How Could We Return To The Past Moment)」と言う、比較的アルバムの中では地味な感じの楽曲の流れがハイライト。その音色はとことんひんやりクールで派手さはないけど、ひたすら高揚するし、ソウル(魂)すら感じるし、聴きだすと止まらない。

たぶん、このアルバムはボクのレコード棚に残る、”最後の100枚”には入る気がするナ。